電子チラシの裏

無方向の言葉

こないだ見た夢

 

俺は今まさに、刑務所の正面玄関を出ようと、歩いている最中だった。

目に写るのは同行者の背中、ガラスの自動ドア、その向こうに連れてこられる男が1人。


男とすれ違う。見知らぬ顔だ。


ドアを通過して外に出る。

青い空、雲ひとつない。日差しが眩しい。

しかし、感情の揺らぎはない。

大したリアクションもしないまま、同行者の車に乗り込む。


「悪かったな」


俺が後部座席に腰を下ろすと、運転席の同行者が語りかけて来た。

前を見たまま、無表情で。

一瞬、「俺に言ってるのか?」と不安になった。


「いえ……勝手について来たのは僕ですから……。悪いのは僕の方です」

「え?……アッハッハッ!」


同行者は急に笑い出した。何かと思い、フロントミラー越しに表情を伺う。

先程の無表情が無かったかのように快活な笑みだ。


「いや、俺が言ったのは……まぁいい。にしても律儀なヤツだ」


愉快そうにそう言うと、車を出した。

駐車スペースをするりと抜けて道路を走り出す。


どうやら俺はトンチンカンな答えをしてしまったらしい。だが、それについて詳しく聞く事はしなかった。


それからは会話がなかった。

街が右から左に流れ、右から左に流れ、右から左に流れ……。


それをずっと見送っていると、だんだん建物が減って来た。

気がつくと、俺たちは山道のような細い道をゆっくりと登っていた。


スピードは少しずつ落ちていき、やがて止まった。

すると、同行人が険しい表情で言った。


「降りるぞ」


その言葉に従い、車から降りると、同行者は既に車の前に立っていた。

彼に追いつくように小走りで駆け寄ると、彼はこちらを見ずに言った。


「何やら妙な雰囲気だ……。俺なら匍匐(ほふく)前進で進むね」

 

そう言うと、彼は俺の後ろに回った。

どうやらここからは、俺が先頭を歩くようだ。彼がそう言うなら、と俺は匍匐前進で進んでいくことにした。


ゆっくりゆっくり、俺たちは静かに前へ進む。


しばらく登って行くと、その先でとんでもない場面に出くわした。


日本か中国か韓国か、いずれにせよアジア人系の風貌の男が両手を上げて膝をついている男を撃ち殺していたのだ。


「隠れてやり過ごすぞ」


後ろについて来た同行者はそう言った。


しかし、俺は怒りに震えた。彼の提案に従うのが正しいと分かっていたが、それを無視し、サブマシンガンを手にした。


照準を合わせるために構えると、

「Rボタン=射撃」

という文言が視界の端に見えた。


「……」


男を照準に納め、脳天を狙う。

そして、そのまま撃ち抜いてやる。

引き金を引いた。


ビュン!と目にも止まらぬ速さで駆け抜けた弾は男の頭に命中し、彼の頭部を粉砕……しなかった。


「!? BB弾……?」


サブマシンガンから放たれたのは真っ白の小さな白い球。

つまりこの銃は本物ではなく、ただのエアガン。


「そんな……」


絶望しながらエアガンを見つめていると、視界に2本の足が映った。


「!」


とっさに見上げると、狙っていた男が見下ろしていた。

銃を片手に、不気味な笑みを浮かべながら。


(コイツの銃は本物だ……さっきも1人殺されてた……。俺も、殺される?)


怖い。嫌だ。死にたくない。

さっきまで怒り、殺そうと思っていた相手が、今度は自分を殺そうとしている。

その事実が恐ろしい。


体が震えて動かない。まるで金縛りのようだ。


(誰か助けてくれ……!! そうだ! 同行者の男は!?)


匍匐前進で進むことを提案したのは彼だし、実際そのおかげで敵に発見される事はなかった。


彼には戦闘能力があると見て間違いない。

俺には戦闘能力はないんだ。何とかしてくれ。


後ろを振り返る。が、そこには“何もなかった”。誰もいなかったとかそういうレベルではない。


足跡も、体が地面を擦った跡も、自分以外にもう1人がここにいたという痕跡そのものが一切ない。

まるで、最初から誰もいなかったみたいに。


「ああああああああ!!!!!!!!!!!!」


絶叫した。

それを見届けた男は、ますます愉快そうに口を吊り上げる。

そして迷うことなく、引き金を引いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と同時に目覚めた。


「……何だこの夢」


なんだよ「Rボタン=射撃」って……。

俺は夢に見るほどCODやってないぞ(総プレイ16時間)

 

同行人は何者だったのか。

そもそもあのシチュエーションはなんなのか。

そして、なぜ俺は殺されなければならなかったのか。

 

この夢は俺に、一体何を伝えようとしていたのだろう。

真相は、多分永遠に闇の中だ。

 

おわり

 

 

 

 

【あとがき】

 

というわけで、ご覧いただきました。

これは少し前にぼくが見た夢です。

 

ぼくは毎朝、覚えている限りの夢の内容をノートにメモします。

夢は無意識のゴミ箱*1とも宝箱*2とも言われています。

 

夢分析という分野は、少々胡散臭かったり、そもそも集合的無意識にまで根を下ろすような神話(アーキタイプ)が存在しない*3気がしたりで、どうも信用ならないんですよねぇ。

 

調べようにも、スピリチュアルの浸食をもろに喰らってるのがこのジャンルですし。

ミスター検索妨害ことNaverまとめ並みにジャマです。*4

マジでスピリチュアルで飯食ってるやつ全員くたばればいいのになと思います。*5

興味はあるので、いつか調べたいとは思ってます。

 

一応、聞きかじった程度の分析をしてみると、

「自分が死ぬ夢」というのは、「自分のすべきことが終了した」という無意識が表出した形らしいです。

 

今回は「自分が死にかける」なので、

「すべきことが終わりに向かっているけども、まだ終わってない」といったところでしょうか。

 

それから、夢に登場する人物は当然ながら全部自分です。

まぁ当然ですよね。自分の頭の中で作り出されるのが夢なわけですし。

 

ということは、僕を導いた同行者も、連れてこられる男も、謎のアジア系殺人鬼も、それに殺された人も、みんな等しく僕というわけですね。

こういうところから共通項を探すのも、面白そうです。

 

 

 

 

 

こないだ見た夢(オマケ)

 

「そんな訓練でニュクスに対抗できるわけがない!」
「それはこちらのセリフだ! 生徒たちを犬死させるつもりか!?」
「やめて下さいお二人とも!!」


先生たちの怒号が飛び交う。
しかし、俺たちはもう慣れっこだ。
いちいちビックリしたりしない。


大の大人が大声で怒鳴り合うのはみっともないと思うのが普通だ。
だけど、俺たちはそうは思わない。
この人たちは、俺たちのために必死になっている。
それを理解しているから。

 

 

 


『人はいつか死ぬと分かっているからこそ、生を輝かせることができるのだ』

 

最初にそう言ったのは誰か。俺たちは知らない。
分かることは、この言葉がいつ言われたかだ。
それは少なくとも、“ヤツ”が現れる前だろう。

 


ヤツの名はニュクス。
ある日突然、空から現れた。
ある人は神と崇め、ある人は悪魔と慄いた。


よく分からないが、ニュクスは全ての生命を断ち切る存在らしい。
ニュクスは言った。


「今年の大晦日、すべての生命は息絶える」


そうはさせるかと、いくつかの組織がニュクスに挑んだ。
しかし、そのことごとくが返り討ちに遭う。


組織が負ける。わずかな生き残りが帰還する。
そしてそのたびに、送り込まれる組織は大きくなる。また負ける。

 

まるでスノーボールのように、犠牲者だけが増えていった。

そうして負け戦を繰り返していくうちに、世界中の国々が、ボロボロになった。

 


人類にはもはや考えられる手は残されていなかった。
しかし、かといってあがきを止めるほど、人類は利口でもなかった。


軍が機能しなくなった今、ニュクスとの戦いに駆り出されるのは学生となる。
そう、俺たちだ。


しかし、自ら生徒を殺しに行かせる教師は(少なくともウチには)いなかった。
彼らは真剣に考え、論議を重ね、ニュクスに対抗しうる手段を考えた。


そうしていくうちに、議論は二つの結論へと至った。
この両者は互いに
「こちらこそが、真にニュクスを倒しうる方法だ」として譲らなかった。


結局、そこで分断が起き、提唱した2人の先生が中心となったゼミに別れ、別々のカリキュラムの元、訓練を開始した。


箝口令が敷かれているから、向こうのことは知らないが……
こっちのゼミの訓練の内容はめちゃくちゃだ。
近くの川に細い綱をかけて、その上を渡るとか。
死ぬ前の思い出つくりかよ、と思ったけれど先生の表情は大真面目だった。


藁にもすがる思いで、できる事は全て試そうとしているのだろう。
ありがたい話ではあったが、その姿が痛々しくも見えた。

 


『人はいつか死ぬと分かっているからこそ、生を輝かせることができるのだ』

 

 

果たしてそうなのか。
晦日まで、あと2ヶ月。
今の俺たちは輝いているだろうか。

 

 

【あとがき】

これ書いてるの2020/07/22です。

午後5時です。

ペルソナコラボ発表前です。

コラボだから夢見たという事にしたとかそういうんじゃないですから!!!!!!!!!!

ソコントコヨロシク*6

 

今回の夢ですが……

多分というかこれ100% ペルソナ3ですね。

ペルソナ3は半年ほど前にプレイしたんですが、なかなか面白かったです。

 

とはいえ、フェスもやらないと不完全燃焼なんだろ? そうなんだろ? そうなんだろって……って感じでした。

 

個人的にあの後味の悪さ、いやぁ好きですねぇ〜(スキゾー)。

後味悪いといってもいうほど悪くないというか、爽やかで。

ペルソナ2罪よりは明るくて良いと思いました。

まぁ、マゾなので罪の方が好みですけど。

 

そういえば、ペルソナ5ロイヤル、去年買ったんですよね。

1周目は人間ステータス高める目的で適当に流して、2周目で追加シナリオ見ようとプレイしてました。

 

で、無事に1周目は配信ペルソナの暴力でぶん回したんですが、

無印も三周してるので「アヌビス像……クレーン……ネズミ化はもう嫌……」とノイローゼになってしまい、絶賛積みゲー中です。

 

新規エンドを見てないんでそろそろやらなきゃなぁと思いました。

 

まぁやりませんけど。

かすみちゃんがそんなに好きじゃないんですよ。お前メインヒロイン面すんじゃねえよって思ってしまいまして。

「芳澤かすみがメインヒロイン」なんて思ってるの芳澤かすみ本人だけだからな。

ユーザーの大半は(多分)真先輩がメインヒロインだと思ってるからな。

 

 

 

f:id:Hariteyama1919:20200722182616p:image

メガテン最高!!!

 

 

 

*1:フロイト氏の発言

*2:ユング氏の発言

*3:小難しい言い回しですが、要は誰もが知ってる普遍的な話って今日日ある? って事です

*4:Naverまとめは2020年いっぱいでサービス終了らしいです。二度と帰ってくんなゴミ

*5:ちなみにスピリチュアルじゃないですが、鴨頭さんも嫌いです。中身のない話をダラダラと喋るな。自分の個人的体験が全て正しいみたいなことを言う人は大体嫌いです。サンプル数1のくせに偉ぶるな。エランブルーファンタジー

*6:メガテンV、発売決定おめでとう。“余裕”があれば買います。お金ください。“余裕”をください。