NOVA 後編(2018/04/24執筆開始、2020/07/12執筆完了)
前編を読んでからお読みいただくと、楽しさ100倍です。
オタク「先行は僕がもらいます!経験者ゆえ!」
オタク「1枚エナジーにおいて1マナ!」
隠「マナって言っちゃったよ!!(ハライチ澤部)」
オタク「ネネ・モリーをプレイ!」
オタク「ネネ・モリーは召喚酔いしているので、ターンエンド」
隠(1ターン目からサーバントを出してくるとは……まずいな)
隠「ドロー!エナジーを1枚セットしてターンエンド」
オタク「僕のターン!ドロー!まずはネネ・モリーでプレイヤーを攻撃!」
隠 LP 2000→1800
オタク「続いてメイン2!1エナジー追加でサファイアをプレイ!」
オタク「これでターンエンドです」
オタク2エナジー
隠1エナジー
隠(この調子だと500クロック……どうにかしなくては……)
隠「ドロー!エナジーセット、して……モーリアプレイ!」
隠「ターンエンド!」
オタク「僕のターン!スタン、ドロー!」
オタク「僕はここでキャラクターカードを発動!」
隠「!」
オタク「登場条件はエナジーゾーンに青のカードが1枚以上!登場コストを支払い、場に出します」
隠「うわっやばい」
オタク「アタックに入ります。サファイアで攻撃」
隠「ここはモーリアでブロックします」
オタク「戦闘を解決、両者破壊。では続けてネネ・モリーで攻撃」
隠「受けます」LP1800→1600
オタク「ターンエンド」
隠「僕のターンですね、ドロー。1エナジー追加で置いてシーザスをプレイ」
隠(シーザスのタフネスならどちらが攻めて来ても損害なく止められる)
隠「ターンエンド」
オタク LP2000 エナジー3
隠 LP 1600 エナジー3
オタク「僕のターン!アタックに入ります。ネネ・モリーでアタック」
隠(もらった!)
隠「シーザスでブロックします」
オタク「では戦闘を解決。ネネ・モリーは破壊され、シーザスは200ダメージを負います」
オタク「ここでネネ・モリーの破壊時効果が誘発します。デッキから1ドローをし、その後手札を1枚除外します。除外するのはゾフィー」
オタク「続いて、氷牙で攻撃。対象はシーザスです」
隠「えっ???????????できましたっけそんなこと」
オタク「スタンバイ状態(アンタップ)なら無理です。フリーズ(タップ)はいけます」
隠「あっそっかぁ(納得)」
オタク「氷牙のアタックトリガーが誘発。1ドローして1枚除外。除外するのは陰ノ乃木小町」
オタク「メイン2!再び氷牙を出します。さらにヴァンテスを手札からプレイ。エンドです」
隠「ドロー……エナジー置いてシーザス2枚目、そしてこちらもキャラクターを使用します。呼び出すのはギュロスドラゴン」
隠「エンド」
オタク「ドロー。こちらもエナジー追加して終わりです」
オタク エナジー5
隠 エナジー4
隠「ドロー!よし!エナジー追加して3コスト!」
隠「アタック行きます!トリニティーでヴァンテスを攻撃!」
オタク「OKです。両者破壊」
隠「続いてギュロスドラゴンとシーザスで攻撃」
オタク LP 2000→1400
隠「残った2コスで赤玻璃の水晶を設置します」
隠「終了で」
オタク「ドロー、チャージ、キャラクター使います」
オタク「デッキから陰ノ乃木小町を除外します」
オタク「そしてアタック、氷牙でギュロスドラゴンを攻撃。攻撃時にアタックトリガー発揮。サファイアを除外して1ドロー」
オタク「エンド時1枚引いて、エンドです」
隠「ドローチャージ、ウルウム、エルハームをプレイ!」
隠「シーザスとエルハームでアタック!」
オタク LP1500→900
隠「エンド!」
〜〜〜数ターン後〜〜〜
オタク「ドローチャージ。ではここでレベル3キャラクターを使います」
オタク「効果で除外されている5コストのサーバントを2体まで出します」
隠「マジか」
隠「マジか」
それは絶望的な展開だった。
速攻が売りの赤デッキが、速攻をかます前に強大な敵を並べられた。
隠「それでも……俺は負けない!」
隠「俺のターン……ドロー!!」
……ん……
お……ちゃ……
おばあ……ん……
おばあちゃん……おばあちゃん……
おばあちゃんってば!
隠「! ホッホッホッ……。昔を思い出してたら、呆けてしまったよ。ごめんねぇ」
カードを駆り、戦場を駆け抜けた日々から数十年。
年老いた彼女には、孫がいた。
------そうそう。
今、私は自分の孫に、その当時のことを語って聞かせていたのだった。
孫「それで!? 続きは!?」
隠「んん?」
孫「どうなったの!? おばあちゃんは勝ったの!? 負けたの!?」
現役のプレイヤーとして闘っていたあの頃は分からなかった事が、今では分かる。
隠「さぁ……どうだったかねぇ。昔のことだから、忘れちゃったねぇ」
本当に大切なことは、勝ったとか負けたとか、そういう事ではないのだ。
孫「えぇ〜! なにそれ〜!」
孫は納得がいかない様子で頬を膨らませる。
この娘にもいつか、わかる日が来るだろう……。
隠「勝ったかもしれないし、負けたかもしれないねぇ……」
孫「えぇ〜……。ナットクできないよぉ……」
隠「アッハッハッ……。ナットクだなんて、難しい言葉知ってるねぇ」
孫「そんなのジョーシキだよ!」
隠「そうかそうか……。アンタは聡い子だね……」
私はもちろん、この勝負がどうなったのかを知っている。
だが、それをここで語るのは……あえてやめよう。
語る者の数だけ物語があるように、
聞く者の数だけ物語がある。
それで良いのだから。
隠「アンタが勝ったと思うなら勝ち。負けと思うなら負け。それだけなんだよ」
孫「……そんな言い方するってことはさ、負けたってことなんじゃないの?」
隠「なんだって?」
孫「負けたって言うのがヤだから、わざと言わないようにしてるんじゃないの!?」
隠「ほ〜う……。そうかいそうかい。そういうこと言うんだねこの子は……。そんなに言うんなら、おばあちゃんが相手したげるよ。自分で確かめてみな」
孫「え〜。でもルールとか分かんないよ……?」
隠「ルールなら教えたげる。……大丈夫。アンタならすぐ覚えられるさ」
孫「ほんと!? じゃあ教えて!」
隠「ああ、いいよ。まず、ゲームを始めるにはデッキが必要でねぇ。デッキにはカードが40枚……
思いは消えない。
そのカードが終わっても。生産が終了しても。
思いは途絶えない。
そのカードを引退しても。手持ちを全部売り払っても。
思いは失われない。
この命が終わっても。この身が灰になったとしても。
この娘がこれから先、手にするカードは、もしかしたらNOVAというカードゲームではないかもしれない。
……いや。そもそもカードですらないのかも知れない。
それでも……思いは無くならないのだ。
私の思いはこの娘に受け継がれ、この娘もまた、誰かへと受け継いでいくのだろう。
せ か い
私が駆け抜けた《私にとってのNOVA》を、いつか再び、誰かが訪れるだろう。
それが私ではなかったとしても……。
この娘ではなかったとしても……。
この心は、思いとともに受け継がれていく。
せ か い
いつか、懐かしい《私にとってのNOVA》を駆けるために……。
おわり
▶︎後書き 2020/07/13
構想2年。完結です。
今回は叙述トリックというヤツを使ってみました。
一人称を俺、とすることであたかも私が男であるかのように書く。
しかし、実際の私は女なのです。
紀貫之なのですわよ。
そんなネカマ女子たる私が書く日記……次回もご期待くださいませ。
それではご機嫌よう。皆々様。